「ちぐはぐさ」をとらえる
「ちぐはぐさ」の視点を持つと、世界はどう見えるだろう?
この企画では、様々な「ちぐはぐさ」を扱います。
「ちぐはぐさ」との付き合い方を考えてみたり、気が付かない間に生じている「ちぐはぐさ」をじっくり捉えてみたり、「ちぐはぐ」の感覚を楽しんでみたり。
世界を「ちぐはぐさ」の視点から捉えると、新しい見方に気づくかもしれません。
この展示は、以下の3つのパートに分かれています。
測る
私たちは、時折、何かを測ろうとします。「測ろうとしているもの」が、少し抽象的で、直接測ることが難しい時には、「代理指標」と呼ばれる数値を使うことがあります。
「代理指標」を使って、「測ろうとしているもの」を測る例を挙げてみます。
・「ある英語試験の点数」を使って、「英語力」を測る。
・「テレビ番組の視聴率」を使って、「テレビ番組の人気度」を測る。
・「ある災害の死者数」を使って、「災害の被害の大きさ」を測る。
数値にすることによって、実態が把握できたり、異なるものを比較できたりなど、できるようになることは多くあります。でも、こうした「代理指標」は、本当に完全に、「測ろうとしているもの」を測れているのでしょうか?
このパートでは、参加者の皆さんの生活を見つめ直して出てくる具体例を通じて、二つの間の「ちぐはぐさ」に迫ります。
錯覚する
私たちの身の回りには、錯覚や認知バイアスと呼ばれる現象がたくさんあります。錯覚やバイアスという言葉だけを聞くと、間違ったものやなくすべきものだと思うかもしれません。
しかし、錯覚や認知バイアスには、人間の認知や思考の特性が反映されています。こうした特性がある方がうれしい場面を考えることで、私たちの生活の中で、上手に付き合っていくこともできるかもしれません。
ここでは、認知バイアスを具体的に取り上げて、人の認知や判断の特性について考えていきます。人の認知・判断と、私たちが「正しい」とする認知・判断の間にある「ちぐはぐさ」や、その付き合い方について、一緒に考えてみましょう!
表現する
皆さんには、自分の考えや気持ちを伝える際に、うまく言葉に表せなかった経験はありませんか?この展示では、絵画や音楽を鑑賞して感じたことを、粘土やハギレを使って表出する機会を作ってみました。
感じたことと表現したことの間のずれ。言葉を使うときと使わないときの表現の違い...。言葉を使わない表現を通じて、隣にいる人と一緒に、ちぐはぐさをじっくり味わってみませんか?
[2024年度 駒場祭にて展示]